チャットGPTの登場で子どもの教育はどう変わる?効果的な活用法とは

2024.03.14
ファミリー 代表 寺井俊行
こんにちは!家庭教師のファミリーです。
近年話題となっているテクノロジーに、チャットGPTというものがあります。
これは、生成AI技術により提供されるサービスです。
質問を投げかけることで、人間同士のようなコミュニケーションが取れることから、さまざまな分野で活用されるようになりました。
このチャットGPTの登場により、子どもへの教育はどのように変わるのでしょうか。
今回は、チャットGPTと子どもの教育の関係性について、効果的な活用方法や注意点も交えてわかりやすく解説します。
チャットGPTとは?教育現場での現状
チャットGPTとは、生成AIを用いたチャットボットサービスです。
アメリカの人工知能研究機関である「Open AI」によって開発されました。
生成AIには、チャットGPTの他にも、Bing ChatやBardなどのサービスが存在します。
チャットGPTは、ユーザーとAIが自然な文章で会話できる点が大きな特徴。
搭載されているAIは、インターネット上の膨大なテキストデータからあらゆることを学習し、その学習結果を用いて、ユーザーの発言・質問に合った言葉を返してくれます。
非常に高いレベルで人間同士のような会話が成立することから、チャットGPTは多くの人に注目され、企業の業務などにも利用されるようになりました。
一方で、チャットGPTを用いた不正も起きており、特に教育面ではその活用と制限のバランスが重要視されています。
チャットGPTと現在の教育現場
チャットGPTについては、その利便性が注目される一方で、教育における悪影響も懸念されています。
すぐに答えや文章が手に入るチャットGPTの存在が子どもの学力をますます低下させるのではないか、さらに勉強しなくなるのではないかと不安を覚える保護者の方も多いのではないでしょうか。
このような懸念から、教育現場におけるチャットGPTの利用については、文部科学省による規制が設けられています。
例えば、「コンクールの作品やレポートなどにチャットGPTを利用し、それを自分の成果物として提出すること」や「テストでチャットGPTを使用させること」などは、適切でないとされています。
また、チャットGPTには13歳以上(18歳未満の利用は保護者の同意が必要)という利用規約上の年齢制限が設けられており、小学生が自分だけで使用することは原則禁止です。
ただ、今は年齢制限が設けられていますが、将来的には誰でも使えるようになると予想されます。
答えが瞬時に出せるチャットGPTの出現は、学校教育を含め、教育方針の根底を揺るがしかねないほどのイノベーションでした。
それにどう対応してよいか、困惑している教育者たちは、教育上よくないと反対しているようですが、最終的にはある程度の規制はありつつも、子どもたちの活用の幅は広がると予想されています。
チャットGPTにはまだまだ注意点はあるものの、メリットもたくさんあり、活用の仕方さえ間違わなければ、活用すること自体、決して悪いことではありません。
次でその点を解説していきますね!
チャットGPTを子どもが使うメリットデメリット
子どものチャットGPTの利用にあたっては、そのメリットとデメリット(注意点)をよく理解する必要があります。
また、チャットGPTの活用を前向きに捉えるべきというお話もしていきます。
チャットGPTを使うメリット
チャットGPTでは、手軽に言葉の意味を調べることができ、子どもにわかりやすい表現の返答を求めることも可能です。
親が辞書のように利用し、子どもにその内容を伝えれば、子どもの語彙力を伸ばすこともできるでしょう。
子ども自らがチャットGPTから思うような返答を得るための質問を考えることも、表現力の向上につながります。
たくさんの資料を集めなくても簡単に情報収集ができるので、時間の短縮になり、勉強の効率アップも図れます。
また、プラスアルファで質問に関連した情報も教えてくれるため、普通に調べるよりも、知識を深めることができるかもしれません。
このような利用方法をもとに、親が工夫しながら子どもとチャットGPTを使うことで、子どものスキルを向上させることができるでしょう。
チャットGPTを使う際のデメリット(注意点)
チャットGPTの使用では、次の2つのデメリットに注意しなければなりません。
- ・回答がいつも正しいとは限らない
- ・著作権侵害のリスクがある
前述のとおり、チャットGPTはネット上の情報から学習し、その情報をもとに答えを伝えてくれますが、ネット上の情報には間違いも多く存在しています。
現在の段階では、答えを導き出す際に正しい・正しくないということよりも、使用頻度が重視されるため、チャットGPTの回答はいつも正しいとは限らず、間違っていることも結構あるので注意が必要です。
また、直近の出来事など学習していない情報について、チャットGPTは「それらしい答え」を返してくることがあります。まったく知識のない人や子どもが見た場合、間違っている情報でもうまいこと表現してくるので、見分けがつきません。
このことから、チャットGPTの回答をすべて信じるのは危険です。
ネット上には、たくさんのニセ情報・デマ情報が出回っていることはご存じだと思いますが、そのインターネットからデータを取り、チャットGPTは回答しているということを忘れないようにしましょう。
チャットGPTを利用する際にはすべてを鵜呑みにせず、本当にそうなのか自分自身でも確認してみる、検証してみることをおすすめします。
また、チャットGPTで作成した文章には、著作権侵害のリスクもあります。
ネット上の既存の情報を活用して、返答を行っているためです。
学校の授業や課題の範囲内で使用する分には問題ないとしても、チャットGPTで作成した文章を外部に発表する際には、著作権侵害にあたらないかどうかもよく確認するようにしましょう。
チャットGPTに頼るのは悪いことではない!
「子どもがチャットGPTに頼ると、知識が身に付かないのではないか」と不安に思う親御さんは少なくないでしょう。
しかし、学習においてチャットGPTを活用することは、決して悪いことではありません。
これからのAI時代に必要となるスキルは、大学入試改革にも挙げられているように、ただ暗記して覚えるような「知識」ではなく、「思考力・判断力・表現力」といわれています。
つまり、今まで重視されていた暗記型の「より多くの正解に早くたどり着くスキル(=ジグソーパズルタイプ)」よりも、これからは開発型の「より多くの創造物を早く創り上げるスキル(=レゴブロックタイプ)」が重視されるようになるのです。
そうした状況の中、子ども達に求められるのはまず、目的や目標を決めてから、次に達成させるための手段や手順を考えること。
そして、その上でそれに必要な知識を入手して計画を実行に移すという一連のプロセスを早く正確にできることなのです。
そうなると、もはや「知識を持っていること」そのものの価値はなくなっていき、「得た知識を使って創り上げたもの」に、価値が見出されるようになるでしょう。
今後の社会では、「チャットGPTで得た知識をどう活かすか」が重要になるのです。
そのため、知識を得る手段としてチャットGPTを活用することは、決して悪いことではありません。
むしろ、先ほどお伝えした注意点を理解した上で、上手に使いこなせるようになっておくとよいでしょう。
チャットGPTは子どもへの教育を良い方向へ変える!?
前述のとおり、チャットGPTは知識を効率的に得られる新しい手段です。
一部、教育者の間では生徒が答えをAIに答えさせるからよくないという論調がありますが、それは視野の狭い考え方と言えるのではないでしょうか。
何かを調べるという行為、そして答えを得るためにわかりやすく質問するという行為は、勉強において基礎になる部分です。
現在も学校で教わる内容は必ずどこかに答えがあり、問題集や参考書、あるいはネットを使って調べて答えにたどり着くという作業を行っています。
また、子どもが知りたい答えが簡単にわかるという環境は、知的好奇心を育てるためにも大変重要です。
チャットGPTが活用できるという現在の状況は、例えると家の中に百科事典や書籍が豊富にあり、知りたいことがいつでも知れるという環境だったり、両親や祖父母が物知りで、子供が疑問に思ったことに対してすぐに答えてくれる環境と似ています。
そういう環境下で育った子供は、好奇心や探求心が旺盛で、比較的に学力レベルも高く、自己肯定感も高い傾向にあります。
一方で調べ方を知らない子どもや、調べる気にならない子どもは意欲ややる気に乏しく、その結果、総じて学力レベルも低調となる傾向にあるようです。
子どもの「どうしてそうなるの?」「なぜ?」の疑問に対して、24時間いつでも瞬時に相手をしてくれるAIがあれば、従来のそうした「教育環境格差」を解消することになり、教育本来の意義を果たすことにもなるでしょう。
これからのAI時代では、詰め込み・暗記教育は必要とされなくなり、イマジネーション・想像力といった感性を磨き鍛える教育がますます重視されることでしょう。
これからは、誰かが作った問題の正解を覚えさせられ、答えさせられたりして、その正答率を競争するという旧来型の価値観が根底から見直され、自分の持っている感性を使って作られた創造物の素晴らしさを表現し合うという価値観に進化することも予測されます。
今後、AI時代で将来活躍するためには、チャットGPTでうまく答えを得る力(質問力)や、引き出した答えを活用する力(思考力・判断力・表現力)は、大きな武器となるでしょう。
AI時代についてはAI時代に活躍するために!子どもに必要な教育や親の見守り方とは?も、ぜひご一読ください。
チャットGPTを子どもの教育にどう効果的に活用する?
最後に、チャットGPTの具体的な活用方法についてみていきましょう。
また、今後のAI時代への対応方法についても、あわせてお話ししていきます。
チャットGPTの効果的な活用方法は?
子どもの教育において、チャットGPTは、学習における次のような目的で活用していくのがおすすめです。
- ・文章や計算の添削・フィードバック
- ・疑問への返答・解説
- ・新しい語彙・情報の取得
- ・会話の練習(英語のリスニング・スピーキングの練習など)
- ・学習計画の策定
チャットGPTでは、学習において上記のようなサポートを行うことができます。
国語や算数、英語など、あらゆる教科に応用することができ、時には教科書範囲外のことを学ぶことも可能です。
疑問に対し、答えだけではなく、なぜそうなのか?答えをさらに掘り下げて追求したり、答え周辺の背景を探っていくことで知識がより深まるのでおすすめします。
また、「箇条書きで」「100文字以内で」「小学生にもわかりやすく」など、答え方の指定を入れることで、さらに理解しやすく説明してくれるので試してみてください。
中学生以上は子どもが自身でチャットGPTを使うことも可能になりますが、使用時の注意点を十分に理解した上で、なるべく親の管理下で使うようにしましょう。
このほか、効率的な学習計画の立て方を教えてくれたり、目標を元にスケジュールを組んでくれたりなど、学習に対する計画を立てる際にも役立つので、活用してみるとよいかもしれません。
AI時代への対応は早い方がよい
これからは、チャットGPTなどのAIが登場することで、調べ方に得手不得手といった差がなくなり、能力や学力に関係なく、どの子も簡単に答えが手に入る環境を手にすることになります。
そうなると、多くの知識を持っているという点で差がつかなくなるため、どの部分で差が出るのかといえば、その知識を活用したアウトプットです。つまり、成果物で差がつく、差が出ることになるのです。
しかし、巨大組織の学校がこれに対応し、変化するまでには相当な時間を要することでしょう。
学校がこれらに対応するころには、子どもはすでに卒業してしまったというのでは遅すぎます。
こうした時代の変化に向けて子どもの能力や可能性を伸ばしていくために、学校(集団)に任せっきりにするのではなく、各ご家庭で個別に対応するほうが早いでしょう。
時代の変化に対応する教育のキーワードは「一人ひとり」
これまでは、みんなが同じ学校に通い、同じ先生から同じ授業を受けるという教育でした。
しかし、これからの時代は、自分に合った教育方針を選び、自分に合った先生から自分に合った授業を受けるというスタイルが主流となって選択されるかもしれません。
なぜなら、学校に行きたくない、多大なストレスを感じながら勉強している子どもが大勢いる今の学校環境と比べると、子どもに与えるストレスがなく、学び本来の面白さを体感して伸び伸びと勉強することができるからです。
また、これからは知り得た知識をどのように活用していくか、自分の長所や特徴をどのように伸ばしていけばよいのか、という点を指南してくれる存在も重要になってくるでしょう。
一人ひとりの子どもに合わせた対応をしてくれるという意味においては、ただ分からないところを教えてくれる家庭教師ではなく、新しい教育価値を理解した家庭教師の存在が、これから役に立つのではないでしょうか。
一対一のマンツーマンで指導を行っている「家庭教師のファミリー」では、今後ますます重要視される「一人ひとりの子どもに合った教育サポート」を創業以来22年間、一貫して提供してきました。
家庭教師のファミリーでは経験豊富な認定プロ教師を中心に、お子さま一人ひとりに最適なオーダーメイドの学習サポートをご提供しています。
ただ分からないところを教えるという家庭教師ではなく、「自立学習」や「未来教育」にも力を入れており、ファミリーならAI時代に向けてますます必要になる「自主性を持って勉強する子ども」を育てることが可能です。
「大人になるまでに子どもの能力をもっと伸ばしたい」「楽しみながら成績を伸ばしたい」「AI時代に活躍できる人になってほしい」というお考えをお持ちの方は、ぜひ一度 家庭教師のファミリーにお問合せ・ご相談してみてください。
きっと、今までとは違う教育価値に出会うことができることでしょう。
相談やカウンセリングは無料でお受けしておりますので、お気軽にご利用ください。
著者ファミリー 代表 寺井俊行

大学生の家庭教師が主流の中、顧客からのより専門的で高度な要求に応えるため、教師のプロフェッショナルとして、質の高い授業を提供。
常にハイレベルな授業を提供できるように、日々指導法や教材の研究等を行い、また、大学生や一般の家庭教師に対して研修や授業のアドバイスを行うことで、ファミリー全体の授業スキルの向上を図っています。
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