読書感想文の書き方のコツ!お伝えします!
2021.12.09
木戸 貴之
こんにちは!家庭教師のファミリー認定プロ教師の木戸です。
今回お伝えしたいのは「読書感想文の書き方」です。
「何を書いたらいいかわからない」「どうやって書き始めればいいか悩んでしまう」など、読書感想文を書くことに少し苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか。
確かに、本を読んだ感想を数百字~数千字も使って人に伝える文を書くというのは、それほど簡単な作業ではありませんよね。
しかし、感想文を書きやすい読み方を意識して、書くコツをつかめば、とてもスムーズに感想文を書くことができるようになります。
本の内容をしっかり自分の中に取り込めたという証にもなり、今までよりも感想文を書くことが楽しくなるはずですよ。
今回のコラムをヒントに、自分に合った読書感想文の書き方をぜひ見つけてくださいね!
読書感想文にはどんなことを書く?
突然ですが、なぜ学校の課題やコンクールで読書感想文を書くのでしょうか?
読書感想文の狙いは大きく分けて次の3つです。
・普段本を読む習慣がない学生に本を読んでほしい
・ある程度本は好きでも、普段読まない種類の本を読んでほしい
・本の内容を理解し、自分の考えをまとめる力を身につけてほしい
これを元にすると「読書感想文で書くこと」が見えてきます。
・本の紹介とあらすじ
・本を読んで新しく知ったことや心が動いたこと、自分の考え
本の紹介については、あまり長くなりすぎないように注意しましょう。
あらすじは目安として、全体の文字数の1~2割程度です。すっきりまとめてください。
あまりあらすじを書きすぎると、単なる「本の紹介文」になってしまいます。
読書感想文の読み手にとっていちばん興味があるのは「その本を読んだあなたの心がどのように動かされたか」です。
本を読んでいる時点で「ココいいな、心にグッとくるな」と思った箇所には、線を引くとか、ふせんを貼るなど振り返りやすくしておくと、あとで感想文を書くときに非常に役立ちます。
効率よく文章をまとめるポイントとは?
具体的な感想文の書き方をお伝えしていきましょう。
最初に行うのは「必要な情報を集める」作業です。
いきなり原稿用紙に書き始めてしまうと、まとまりのない文章になってしまったり、あとで内容の修正をしづらくなってしまいます。
いきなり原稿用紙に書き始めるのではなく、これからお伝えするポイントを中心に、思いついたことをノートに書き出してみましょう。
最終的に感想文に取り込むかどうかはあとで決めればいいので、思ったことをどんどん書き出していきます。
本を選んだきっかけ
感想文の書き始めは、その本を選んだきっかけを書きましょう。
もともとその本のテーマに興味があったので目にとまったとか、お母さんや友人にすすめられたとか、著者の作品をすでに読んだことがあってファンだった、とか何らかのきっかけは必ずあるはずです。
「ただ面白そうだったから」ということが入り口であっても、なぜ・どんなところが「面白そう」と思ったのかというところまで掘り下げて書いてあげると、より本の魅力やあなたの考え方が伝わります。
本のあらすじ
次に、本のあらすじを紹介します。
先にもお伝えしましたが、ここはあまり長くなりすぎないように注意してください。
読書感想文のメインは、その本を読んで何を感じたか、を書くことですから、あらすじの紹介は最低限で十分です。
全体の文字数にもよりますが、長くても全文字数の1/3くらいにはとどめておきましょう。
本の内容を全て書かなければならないのではなく、感想文を読む人がその本がどんな本なのかイメージできる程度で十分です。
心が動かされたところ
読書感想文のいちばん大切なところです。
印象に残った・心が動かされたのはどんな場面だったのか、登場人物のどんなセリフだったのか、どんなことを新しく知って感心したのかなど、どんどん書き出していきましょう。
ポイントは、なぜ心が動かされたのか、読む前と読んだ後では、自分の中で具体的に何が変わったのかなどについて考えてみることです。
例えば、「この本の〇〇〇という場面での主人公の〇〇〇というセリフを読んで、友達の大切さに改めて気づかされました。それからは、友だちに対して今まで以上に優しく接するようになりました。」という感じです。
自分が具体的にどう変化したのかを書けると、より伝わる文章になります。
まとめ
まずは、ここまで書いてきた内容を短くまとめます。
例えば「この本を読んで私は~ということを学びました。」のように、1~2文で十分です。
それから、自分の想いや考えを読み手に伝えていきましょう。
読書感想文の内容には正解がないので、自分の感じたことを感じたままに書くことができます。
この本を読んでこんな新しいことを知ったよ、こんなことに気づかされたよ、これからの人生にこんなふうに活かしていけそうだよ、という自分自身の変化や想いを書き出してください。
最後は、たくさんのことを教えてくれた、たくさんの感動をくれたこの本に出会えてよかった、読めてよかったという、本を読んだことに対するプラスの気持ちをまとめます。
もし仮に、感動したポイントや生活への変化がなくても、そのまま思ったことをまとめて良いのです。本の内容に対して、必ずしも賛成する必要はありません。
ただし、つまらなかったなどではなく、「主人公のような行動は、自分ならやらない。それはこんな理由から」など、自分の考えを述べて、発見があったり自分の考えに影響がありそうだ、という点をまとめるようにしましょう。
学年別、読書感想文の書き方のコツ
基本的な文章構成はどの学年でも一緒ですが、「何を読書感想文に求められているか」は学年ごとに変わってきます。
低学年では自分が思ったことを中心にして構いませんが、上級生になるにつれて具体的に学んだことや今後の人生への役立て方など「本から付加価値が見いだせたか」をきちんと導き出すことも一つの大切なポイントとなってきます。
小学生向け
自分の実体験を思い起こしながら書けるといいですね。
例えば「わたしも主人公と同じように〇〇ということがありました。その時わたしは☆☆と感じましたが、主人公は~」というように、自分の体験とリンクさせて書くことができると、とてもよく伝わる文章になります。
本を読んだ後で、自分がどのようにしていきたいかも書きましょう。
例えば「この本を読んで、本当に友だちの大切さに気がつきました。これからは、今までよりもっと友だちを大切にしていきたいです。」とか、「私も渋沢栄一さんのような実業家を目指したいので、一生懸命勉強を頑張ります。」などのようにです。
中学生向け
小学生と同じく、自分の体験談にリンクさせるのはとてもいい方法です。
読書から得られた気づきを表現できると、さすが中学生という文章になります。
例えば「真の友情とは・・・ということなんだとわかりました。」「本当のやさしさとは・・・というものなのだと気づかされました。」などのようにまとめてみてください。
あとは、できるだけ表現を豊かにすることも意識してみましょう。
比喩や慣用句を使うのもいいですね。
例えば、「大雨」ではなく「バケツをひっくり返したような雨」であったり、「うわさ話」ではなく「根も葉もないうわさ話」といった表現を心がけると、ワンランク上の文章になりますし、国語の勉強にも繋がります。
高校生向け
小・中学生に示したポイントを踏まえたうえで、さすが高校生という文章を目指すならば、自分の体験はもちろん、実社会の事例や課題などとリンクさせて書いてみてはいかがでしょうか。
例えば「いじめ」がテーマの本なら、最近ニュースで見たいじめの問題に触れてみる。
「環境問題」がテーマの本なら、近年問題視されている環境問題を取り上げてみる。
「戦争」がテーマの本なら、いま地球上で起きている紛争について言及してみる。
本のテーマによっては今自分の身の回りに起きていることと本の世界は無関係ではありません。
小説でも主人公の世代によっては身近な題材となるでしょう。
より自分自身の考えと読書が結びつく表現を探せるといいですね。
さらには、比喩や慣用表現を使って表現を豊かにすることも意識しましょう。
読書感想文を書く目的の一つに「正しい日本語で自分の気持ちを表現する」ことがあります。
無理に難しい表現を使う必要はありませんが、文字数をコントロールするためにことわざなどを使うのはテクニックの一つです。
ただし、語句に頼りすぎて伝えたいことの本質がぶれないようにしましょう。
しっかりした感想文を書くためのポイント
読書感想文のような、正解のない文章を書くのが苦手、何から書き始めればいいのかさっぱりわからない、そんな悩みは解消できたのではないでしょうか。
最初からうまく文章を書き出そうとする必要はありません。
まずはあまり構えず、思ったことを箇条書きでどんどん書き出していくことから始めてみてください。
心が動かされたところにどんどん線を引いたり、ふせんを貼ったりしてみてくださいね。
ポイントを振り返っておきましょう。
・感想文に書くことのひとつめは、本のあらすじ。長くなりすぎないように。
・感想文に書くことのふたつめは、心が動かされたこと。体験談にリンクさせると◎。
・きっかけ→あらすじ→心が動かされたこと→まとめ、という文章構成にする。
・年代によってリンクさせる内容を考えると、文章により深みがでる。
このような点に注意して、取り組んでみてくださいね。
読書感想文には、コレ、といった正解がありませんので、どのようにアプローチするか、上手に書けているのかどうか、判断するのが難しいという側面もあります。
家庭教師のファミリーでは、普段の学習だけでなく読書感想文の書き方もサポートしています。
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ポイントをおさえて、本の魅力をしっかり伝えられるような感想文を書きたいですね。
著者木戸 貴之
長年にわたり塾講師など教育に携わっており、これまでに指導してきた生徒は500名以上。生徒一人ひとりに合わせた指導で、難関校にも多数の合格者を輩出している。受験に関する膨大な知識が頭の中にインプットされているとか…
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