0.999…=1?
2017.10.03
こんにちは、認定プロ教師の齋藤です。
さて今回のテーマは、身近に目にする「小数」の不思議な世界です。
一口に小数といっても、様々なものがあります。
例えば、0.5や0.31のように終わりのある小数を有限小数と呼びます。
それに対して、終わりなく無限に続く小数を無限小数と呼びます。
無限小数にもいろいろあって、0.313131…のように同じ部分が繰り返し現れる小数を循環小数と呼びます。
それに対して2の平方根(ルート2)=1.4121356…や円周率(π)=3.1415926535…のような小数は、循環しない無限小数と呼ばれます。
さて、小学校の算数でも学びましたが、分数と小数はお互いに変形して表すことが可能です。
いや、厳密にいうと表すことが可能なものもある、というべきでしょうか。
例えば、分数の1/5(5分の1)は、「1を5個に分けた量の1つ分」と言えますので、1÷5として0.2と表すことが可能です。
逆に、小数である0.73は、「1を100個に分けた0.01を73個集めたもの」なので、1/100が73個で「73/100(100分の73)」と表すことができます。
ちなみに、分数で表すことができる数のことを「有理数」と呼び、分数で表すことができない「無理数」と区別されています。
そうすると、小数は有理数の仲間といえますね。
では、無限に続く小数を分数に表すことはできるのでしょうか?
結論から言うと、答えは「循環小数ならば可能」です。
例として、0.232323…と続く無限小数を分数に直してみましょう。
メモの準備はよろしいですか(笑)
今この分数を仮にAとすると、「A=0.232323…」と書くことができます。
この数を両方とも100倍しても大きさの関係は変わらないので、「100A=23.232323…」と表せます。
そして、2番目の式から最初の式を引くと、「100A‐A=23.232323…‐0.232323…」となり、なんと小数点以下がすべて消えてしまい「99A=23」となります。
よって、「A=23/99(99分の23)」となり、0.232323…=23/99と分数に表すことができました。
これを使うと不思議なことが起こります。
冒頭の0.9999…を今のやり方で分数にすると、なんと1になるのです。つまり、0.99999=1という関係が成り立つのです。
これは一見不思議な現象ですが、実は数学的には正しいことなのです。つまり、0.9999…と限りなく1に近づけていくとその数は1そのものになるのです。
数の不思議、こんなところにも潜んでいるんですね。
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