【数学の話】美しき作図の世界
2017.12.04
こんにちは、認定プロ教師の齋藤です。
今日は「作図」のお話です。
「作図」とは、コンパスと定規だけを用いて指定された図形を描いたり点の位置を求めることです。
現行の制度では、小学生の算数で円や二等辺三角形、正三角形の作図を習い、
中学生では垂直二等分線や角の二等分線を用いた様々な作図を用いた問題を解き、
高校生では内分点・外分点など高度な作図に立ち向かうことになります。
作図では、用いることができるのはコンパスと定規に限定されます。
しかも、定規は目盛のないものを用いるとしているので、具体的な長さを図ることはできません。
ならば、このような条件でどのような正多角形が作図できるのでしょうか。
まずは正三角形。これは小学校でも習う作図なので覚えている方も多いはずです。コンパスを、最初に引いた線分と同じ幅に保ったまま使うことにより作図が可能です。
次に正方形(正四角形)。これは中学校で習う作図を用いて作成が可能です。直角を作ることが必要です。
さらには正五角形。これは少々複雑ですが作図が可能です。ちなみに、この正五角形の作図を利用して、人間が直感的に美しいと感じる比である「黄金比」も作図が可能になります。
ここまでの図形の作図ができれば、それぞれの頂点を倍にして得られる、正六角形、正十二角形、正二十四角形…や正八角形、正十六角形、正四十八角形…に正十角形、正二十角形…も作図が可能です。
正九角形や正十五角形も作図が可能になりますが、それ以外の奇数の図形(正七角形や正十一角形など)は作図不能である、とされていました。
なので、19世紀に偉大な数学者であるガウスが、正十七角形の作図を発見したときは大発見とされたのです。
ちなみに、この作図というジャンルは古くから研究されており、古代ギリシャでは「三大作図問題」と呼ばれる問題が有名でした。
それは「どんな角も三等分することができるか」、「円と同じ面積の正方形を作図できるか」、「立方体の体積を2倍にした立方体を作図できるか」という問題でした。
いずれも、現在でも作成不可能ということが証明されています。
これから高校入試に向けて受験勉強を頑張ろうと思っている皆さん。
作図は頻出の問題ですから、しっかりと勉強して問題に取り組みましょう!
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