【数学の話】どの数値で比べようか
2017.12.12
こんにちは、認定プロ教師の齋藤です。
日頃皆さんが行なっているものは、データとして蓄積されています。
その日に使ったお金の総額、歩いた距離、問題を解くのにかかった時間、
お店の売り上げ、バスや鉄道の利用者数など様々なものがデータとして集められています。
最近では、数万個単位のデータ量を「ビッグデータ」と呼び、各企業が新商品の開発・販売や経営戦略の計画立てのために積極的に利用しています。
このような傾向を受けて、最新の学習指導要領では中学1年生の数学で「資料の活用」という単元が、
高校の数学Iで「データの分析」という単元が設けられ、様々なデータをいろいろな視点から分析できるよう指導することが求められています。
さて、データの分析というものはどのように行うのでしょうか。
中学数学で習うことを基にして話をしたいと思います。
中学数学「資料の活用」では、そのデータの特徴を示す3つの代表値についてまず学習します。
その数値が、「平均値」・「中央値」・「最頻値」です。
平均値とは、すべてのデータの合計をデータの個数で割ったもので、一番身近で使われているものです。身長の平均、テストの平均点、1年間の平均気温など様々な場面で目にすることも多いものです。
中央値とは、そのデータを大きい順番に並べた時に、ちょうど真ん中の位置に来る数値を指します。真ん中の順位にあたるものの数値です。
最頻値とは、そのデータの中で最も登場回数が多い数値のことです。例えば学校で10点満点の小テストを行ったときに、一番人数の多かった得点が最頻値になります。
これらの数値を基に、データの分析を行なっていろいろな比較を行うのです。
例を挙げて考えてみましょう。
ここに、人口が5人のA村とB村があります。それぞれの村人の年収は次の通りです。
A村:50万円、100万円、100万円、200万円、300万円
B村:10万円、10万円、20万円、40万円、1400万
この時、どちらの村のほうが裕福だといえるでしょうか?
まず平均値で比べると、A村は(50+100+100+200+300)÷5人=150万円となります。一方、B村は(10+10+20+40+1400)÷5人=296万円となり、平均年収はB村のほうが高いです。
しかし、中央値で比べると、A村は100万円、B村は20万円と圧倒的にB村のほうが低いです。加えて最頻値で比べても、A村の最頻値は100万円(2人)、B村は10万円(2人)とA村のほうが高いです。
B村のほうは1400万円の人が1名いるのでその分平均値が高くなってしまい、平均値がB村の特徴を表しているとは言えなさそうです。こう見ると、全体としてはA村のほうが裕福度は高そうですよね。
このように、平均値だけではなく最頻値や中央値も用いることによって、より詳しいデータの分析を行うことができるのです。
さらに、B村のほうはA村よりも格差が激しそうですよね。
これを分析するためには、高校数学Iで扱う「分散」や「標準偏差」を用いることが必要です。
さらに、これに「年齢」というデータを付け加えると、「年齢」と「年収」の関係を分析することができますが、その際には「共分散」や「相関係数」という概念が必要になります。
いずれも高校数学で登場する考え方になります。
データの分析は、奥が深いです。
皆さんも様々なデータで分析をしてみるといかがですか?
見えなかったものが見えてくるかもしれません。
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