【数学の話】「魚が好きではない」人は…
2017.12.19
こんにちは、認定プロ教師の齋藤です。
今回は、数学における論理の話です。
数学という学問は、与えられた条件つまり「仮定」から出発して、明らかにしたいことすなわち「結論」を導くという命題の「証明」を多用する学問です。
証明は、それを読む人全員が正しいと認識できなければいけません。ですから、証明を書く際には、言葉遣いがとても重要です。
現在では、中学2年生の数学で、整数の性質や図形の性質を証明することを学ぶので、記憶にある方も多いと思います。
さて、証明が言葉を用いてわかりやすく説明することであるならば、言葉の問題を避けることはできません。
そこで、数学の世界でも「論理学」がジャンルとして確立されているのは前に「パラドックス」の回でお話ししたかと思います。
学校では、高校数学Ⅰにて「論理と集合」という単元にて学習するよう指導されています。
ここでは、どのようなことが学習されているのでしょうか。
まずは、「裏」です。これは、元の内容を否定して全く逆にするのです。
例えば、「魚が好きな人ならば、肉が好きな人である。」の裏は、「魚が好きではない人ならば、肉が好きではない人である」になります。
続いて「逆」です。これは、仮定と結論を入れ替えたものになります。
先程の例を逆にすると、「肉が好きな人ならば、魚が好きな人である」となります。
そして「対偶」です。これは、仮定と結論を入れ替えた上で内容を全く逆にしたものです。
つまり、先程の例で言えば、「肉が好きではない人ならば、魚が好きではない人である」となります。
ちなみに、元の命題が正しいからといってその否定や逆も正しいとは限りません。
しかし、対偶は必ず正しいものになります。
では、これを用いて、「魚か肉が好きな人」を否定するとどうなるでしょうか?
答は「魚も肉も好きではない人」になります。
元のグループには、魚が好きで肉が嫌いな人、魚が嫌いで肉が好きな人、魚も肉も好きな人の3種類の人がいます。
否定とは、このグループに入っていない人を指すことになるので、先の答のようになります。
これは、数学における論理学の重要定理「ド・モルガンの法則」に基づくものです。
ちょっとした言葉遊びのようですが、このような問題が、数学の縁の下の力持ちとして支えているのです。
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