ギフテッドとは?子どもの特性を伸ばすには親のサポートや教育が重要!
2023.04.21
ファミリー 代表 寺井俊行
こんにちは!家庭教師のファミリーです。
みなさんは、ギフテッドという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これは、特定の分野に対して生まれつき非常に優れた能力を持つ人を指す言葉です。
大きな才能を持つギフテッドですが、その一方で幼い頃から生活に問題を抱え、生きづらさを感じているケースも多くあります。
子どもの場合、それが不登校に繋がることもあります。
ギフテッドの子どもが生きづらさを払拭し、自分に自信を持って才能を伸ばしていくためには、自己受容ができるようサポートをして自己肯定感を高めること、その特性を生かせる環境を与えてあげることが大切です。
そこで今回は、ギフテッドの子どもが抱えやすい問題や自己受容の大切さ、ギフテッドならではの教育・サポートの重要性について詳しく解説します。
ギフテッドとは?どんな特性?注意することは?
同じ年代と比べ、明らかに突出した高い能力を先天的に持つ人のことを、ギフテッドと呼びます。
ギフテッドの能力は、努力による後天的なものではなく、生まれつきのものであることが大きな特徴です。
ギフテッドの人が才能を発揮する分野は、特定の勉学や芸術、音楽、運動、言語能力などさまざま。
記憶力や集中力に優れていたり高いIQを持っていたりする例が多いです。
その子がギフテッドであることは、同年齢の平均的な子どもと能力が大きく異なることから、幼児期に保護者や先生など周囲の大人が気づくことがほとんどです。
優れた能力を持つギフテッドですが、実生活ではそれが生きづらさを招いたり苦手なことが多かったりして、悩みを抱える子も。
そのため、周りと同じではなく、能力を伸ばして苦手部分をサポートする、その子に合った環境・教育が必要になります。
ギフテッドの主な特性とは
ギフテッドと呼ばれる子どもの特性はそれぞれで異なりますが、多くのケースで次のような特性が見られます。
- ・高い知能を持ち、集中力や記憶力が非常に高い
- ・言葉の習得が早い
- ・語彙が豊富で、難しい言葉を使って話す
- ・複雑な文章を理解できる
- ・自分の考えを素早く的確にまとめられる
- ・知的好奇心が強く、長時間同じ物事に没頭する
- ・独創的なアイデアを示す、独特なものに興味を示す
- ・強いこだわりや熱情を持っている
- ・時に感情的・衝動的な行動を取る など
同年代以上の優れた能力を持つだけでなく、独創的で強いこだわりを有する点が、ギフテッドの特徴です。
これらの特徴は乳幼児期〜就学後の成長過程において発見されることが多いです。
ギフテッドの子どもが抱えやすい問題は?
優れた能力を持つ一方で、ギフテッドの人は生活の中で次のような問題を抱えやすい傾向にあります。
得意な分野と不得意な分野の差
一部の分野で優れた能力を持っているギフテッドの人は、そのほかの分野を苦手に感じたり苦痛に感じたりすることが多いです。
また、好きなことと苦手なこととの差が大きいことで、周囲に理解してもらえないこともあります。
社会性・情緒の発達
ギフテッドの子どもの中には、社会性や情緒の面で発達に遅れが見られることもあります。
高い能力を持つ一方で社会性が身についていない状態では、学校のクラスで馴染めなかったり交友関係でトラブルに巻き込まれたりすることも考えられます。
刺激への敏感さ
嗅覚や聴覚、味覚など、ギフテッドの子どもは感覚に過敏であることが多いです。
また、喜怒哀楽の激しさもその特徴のひとつ。
これは、ギフテッドが感覚的・精神的な刺激に敏感であるという特徴を持つからだと考えられます。
刺激への敏感さは、自身の生きづらさとともに、他者との関係構築の壁にもなり得ます。
ギフテッドの子どもは自己受容がしにくい
ギフテッドの子どもは、高い知能を持つことで周りの子どもたちと話が合わなかったり、考えを理解してもらえなかったり、完璧主義であることも多いため自己評価が低かったりと、「自己受容」ができていない場合が多いです。
自己受容とは、良い状態の自分だけでなく、できない部分も認めて「ありのままの自分を受け入れること」。
「自分だからこそ良いんだ」「このままで十分価値があるんだ」と思うことができなければ、自己肯定感は低いままです。
そのため、ギフテッドの子どもは反抗的になってしまったり、不登校になってしまうケースもよくあります。
高い能力を伸ばしていきながら、子どもが自分らしく、自信を持って人生を歩んでいくためには、親や周りが子どもの特性を正しく理解し、その特性を活かした環境を与えてあげること、サポートしていくことが重要です。
ギフテッドの子供だけでなく、全ての子どもにとって、自己受容と自己肯定感は大切なもの。
正しい自己受容を得て自己肯定感を高める方法については、以下のコラムで詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
子どもの自己肯定感を高める方法、低いまま放置すると危険な理由を解説!
ギフテッドの子どもが正しく自己受容を得るために親ができるサポートについては、後ほど詳しくお話ししていきます。
ギフテッドの診断方法とサヴァン症候群との違いは?
ギフテッドの明確な定義はなく、日本に比べギフテッド教育が進んでいるアメリカでも、州によって細かな定義が異なるようです。
一部ではIQを診断基準とすることも提唱されており、判定方法の1つとしてIQ(知能指数)を測るウィスクラー式知能検査(WISC-IV)がありますが、芸術や運動の能力をIQで測るのは不可能なため、総合的に判断されることが多いです。
また、ギフテッドと呼ばれる子どものほとんどがIQ130以上と、高い知能を持っていることが多いため、判断基準のひとつになっています。
ちなみに、発達障害を持ちながら一部分野では抜きん出た能力を持つ人のことを、「サヴァン症候群」と呼ぶため、ギフテッドとどう違うのか疑問に持つ方も多いようですが、似ているようで違います。
例えば、「重度の知的障害を持つ一方で、数字の暗算力に非常に優れている」「発達障害で他者による生活のサポートを必要とするが、美術に優れ素晴らしい絵画を作成できる」など。
それに対し、ギフテッドは「一部分野で先天的に突出した能力を持つ人」を指す言葉であり、これらの特性とは異なります。
ギフテッド教育はどう行う?そのメリットや具体例とは
ギフテッド教育では、子どものサポートが非常に重要です。
具体的には、次の2つの方針が教育のメインになります。
- ギフテッドの子どもの才能を伸ばすこと
- 突出した才能を持つゆえに直面する問題をサポートすること
ギフテッドは、お話しした通り一部の能力に長けていますが、その一方でそれ以外の分野や交友関係については問題を抱えることが多いです。
生まれ持った能力を適切に高めていきながら、何か問題に直面した場合にはそれを乗り越えるためのサポートを行うことが、ギフテッド教育の基本です。
ギフテッド教育のメリット
ギフテッドの子どもたちは、一般的な学校に通い、他の子どもたちと授業を受けていても、物足りなさを感じたり周囲に溶け込めなかったりすることが多くあります。
そのままでは、せっかくの優れた能力を伸ばすことはできず、子どもは問題を抱えてしまいます。
しかし、その子に合ったギフテッド教育やサポートが行えれば、才能を最大限に伸ばしてあげることができます。
ギフテッドならではの問題についても、理解と知識のある指導者によるサポートを受けられるため、子どもは生きづらさを感じにくくなるでしょう。
ギフテッドならではの教育環境の整備は、その子らしい生き方の実現につながります。
実際に行われているギフテッド教育の例もご紹介
現在行われている具体的な教育方法を、海外の例と日本の例に分けてご紹介します。
海外のギフテッド教育
日本に比べ、海外ではギフテッド教育が発展しています。
その代表的な方式としては、次のようなものがあります。
【エンリッチメント方式】
他の子どもたちとともに一般学級で過ごしながらも、ギフテッドの才能を発揮できる機会を与える方式(多生徒よりも高いレベルの宿題を出す、才能に関連するコンテストへの参加を提案するなど)。
【プルアウト方式】
ギフテッドの子どもたちが集まって学ぶ時間を定期的に作る方式。
生徒の興味や才能に応じたレベル・内容の学習を行い、問題のサポートも実施する。
【アクセルライト方式】
年齢は関係なく、能力に合った学年、学校に所属させる方式。
いわゆる飛び級のこと。
【サマースクール方式】
夏休みにサマースクールとして、ギフテッドの子どもたちを集めた講義や野外活動を行う。
海外では、このような方法でギフテッドの子どもたちの才能を伸ばしながら、周囲との関係構築もサポートしています。
日本のギフテッド教育
日本のギフテッド教育は、海外に比べて拡充されているとはいえません。
まだまだ特別なカリキュラムを用意する学校は少なく、困難を抱えているギフテッドの子どもが多いのが現状です。
しかし、近年その取り組みは進んでいます。
ここでは、実際の事例を2つご紹介します。
【事例1】
小中学校と高等部を持つある私立学校では、ギフテッドに対する教育カリキュラムに力を入れています。
具体的に内容を見てみましょう。
- ・学年や分野の枠組みを外して学習を進める
- ・得意な分野はどんどん先に進めていく
- ・苦手分野を明らかにし、基本的なことから理解増進に努める
- ・パソコンを活用し、文字を書くことの苦手さを軽減する
- ・校外体験を増やし、興味関心を伸ばす
- ・好きなものに熱中できるプロジェクトタイムを設置 など
ギフテッドの高い能力や興味関心を伸ばしながら、苦手を軽減させたり克服させたりするカリキュラムが組まれています。
【事例2】
渋谷区では、近年ギフテッド教育に対する取り組みを進めています。
その内容は、各分野の専門家による講義に参加できるというもの。
過去にはロボットクリエイターや書道家などが講義を行い、それを聞いたギフテッドの子どもたちと専門的なやりとりを楽しみました。
渋谷区は、今後も体験を含めたギフテッド向けの教育を拡充していく方針でいます。
2023年度から、文部科学省はギフテッドの子どもたちに向けて多様な学びの場を確保することや、教員の研修の充実などの支援に乗り出す予定です。
日本のギフテッド教育はまだ発展途上ですが、今後より充実したものになっていくと予想されます。
また、ギフテッドの子どもに対して重要なのは、特別な教育方法よりも子どもの個性であるギフテッドを正しく理解し、その能力を存分に伸ばせる環境を作り、困った時にはサポートしてあげるということ。
とはいえ、多数の生徒を1人の先生がまとめる集団授業では、このような対応を取るのは難しいものです。
そのため、全部ではなくても、個別対応による教育は必要でしょう。
ギフテッドの子どもには親のサポートが重要!
ギフテッドの子どもが自身の能力を伸ばしながら生き生きと成長していくためには、親をはじめとした、周りの大人のサポートが必要です。
例えば、次のようなサポートを行うことで、ギフテッドの子どもは自己受容しながらポジティブに生きていくことができます。
- ・多くの物事や情報に触れる機会を作る
- ・興味や好奇心を制限せず知的欲求を満たしてあげる
- ・苦手部分に着目せず「得意分野(長所)」を伸ばす
- ・安心できる居場所をつくる
さまざまな物事や情報に触れたり見たりする機会は、ギフテッドの子どもが成長するチャンスです。
彼らの才能を伸ばすためにも、なるべく多くのことに触れさせて、知的欲求や好奇心を満たしてあげることが大切です。
特に強く興味を示したものに関しては、とことん突き詰められるよう、大人の専門書も活用させてみたり、専門家が話す講座に参加させてみたりなど、「子どもだから」という枠を外してサポートしてあげることも必要でしょう。
また、ギフテッドの子どもは苦手な部分と得意な部分が極端である場合が多いです。
例えばグループ行動や長時間座って勉強するのが苦手だけど、高校の数学まで解けてしまう、難しいプログラミングもこなしてしまうなど。
できない部分に着目して指摘したり、無理に頑張るようにさせたりすると、自己受容ができなくなってしまい、自己肯定感が下がってしまいます。
自己肯定感が低いと、学校で仲間外れにされてしまうなど交友関係の問題や不登校につながってしまうことも。
子どもの興味を尊重し、好きなことや長所を認め、「そのままのあなたでいいんだよ」と伝えてあげることが重要です。
必要な時にはサポートを行い、そしていつでも安心できる場所を整えておくことが、ギフテッドの子どもに対する保護者の大切な役割といえます。
マンツーマンの家庭教師も検討を
ギフテッドの子どもは、学校での集団学習ではなかなかその才能を伸ばせません。
そのため、個別の学びも用意してあげる必要があります。
文部科学省でも、ギフテッドに対する「個別最適な学び」を推奨しています。
そこで選択肢に挙がるのが、家庭教師の利用です。
マンツーマンで授業を行う家庭教師であれば、得意な分野も不得意な分野も、その子のペースで学習を進められます。
質問もその場でできるため、疑問を後に残すこともないでしょう。
家庭教師のファミリーは、質の高い授業を提供するマンツーマン形式の家庭教師サービスです。
発達障害やギフテッドの子どもにも対応しており、経験と知識の豊富な講師が揃っています。
ギフテッドの子どもに対する個別学習を検討される方は、ぜひ家庭教師のファミリーに一度ご相談ください!
ギフテッドとは突出した才能を持つ子。才能を伸ばす教育と環境が重要
特定の分野において先天的に突出した才能を持つ人を、ギフテッドと呼びます。
ギフテッドの子どもは学問や芸術、運動などさまざまな分野で驚くべき能力を発揮しますが、その一方で苦手分野の克服や社会性、自身の敏感性の点で問題を抱えることが多いです。
そんなギフテッドの子どもには、サポートに特化した教育や才能を伸ばせる環境が必要です。
保護者や周囲は「子どもの特性や興味を認め、知的欲求を満たせて自信を持てる環境をつくる」姿勢を大切に、子どもが伸び伸びと才能を発揮できる機会を与えてあげるべきでしょう。
また、ギフテッドの子どもには部分的にでも個別の学びの場を用意してあげる必要もあります。
家庭教師はその選択肢のひとつ。
お子様ひとり一人の状況に合わせて、個別対応を行う家庭教師のファミリーでは、ギフテッドの子どもの特性に合わせた学習を実現できます。
また、お子様の成長を間近で見ながら保護者様も一緒に学べるはずです。
ご興味のある方はお気軽に資料請求や無料体験をご活用ください!
著者ファミリー 代表 寺井俊行
大学生の家庭教師が主流の中、顧客からのより専門的で高度な要求に応えるため、教師のプロフェッショナルとして、質の高い授業を提供。
常にハイレベルな授業を提供できるように、日々指導法や教材の研究等を行い、また、大学生や一般の家庭教師に対して研修や授業のアドバイスを行うことで、ファミリー全体の授業スキルの向上を図っています。
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