テストの点数が悪いときに、親がすること・してはいけないこと
2021.09.20
舟川 圭祐
こんにちは!家庭教師のファミリー認定プロ教師の舟川です。
もし、お子さまのテストの点数が悪かったとしたら、どう対応しますか?
ついつい感情的にお子さまを叱ってしまった経験がある方もいらっしゃるかもしれませんね。
本来、親としてどのように対応することがベストなのでしょうか。また、してはいけないことなどタブーはあるのでしょうか。
今回は、お子さまがテストで悪い点数を取ってきたとき、親がしてあげたいこと、避けなければならないことをお伝えします。
テストの点数が悪いときに親がかけてはいけない言葉の特徴
まず、避けなければならないことからお伝えします。
このことは、知って意識しておくのとおかないのでは、雲泥の差が生まれます。
避けたいことがわかれば、自ずと望ましい対応が見えてくるはずです。
説教はもちろん、否定語もNG
「だから勉強しろって言ったでしょう!」「毎日ダラダラしてばっかりだからこういう点数になるのよ!」と言いたいお気持ちはよくわかります。
そしておそらくその通りなのだと思いますが、ここはグッと飲み込みます。
ここでお説教をしたり「だからダメ」などのネガティブワードをぶつけたところで、まったく効果はありません。
お子さまはやる気を削がれて、むしろ逆効果になるケースがほとんどです。
よその家や他の家族と比較しない
「お兄ちゃんはこんな点数取らなかったのに」「同じクラスの○○ちゃんは△△点だってよ」などと、兄弟姉妹や友だちと比較することも避けましょう。
自分より良い結果を出した人と比べられて良い気持ちになれる人はいません。
必要のない劣等感を植え付け、自分を制限する考え方に偏ってしまう原因にもなりかねません。
これは勉強だけでなく、人格形成などその他諸々のことにも悪影響が及ぶ可能性があるため、百害あって一利なしです。
テストの点数が悪い時、親として働きかけるポイントとは
テストの点数が悪かったとき、親はどのように関わってあげたらいいのでしょうか。
それは「反省すべきことを反省し、次回は同じ失敗を繰り返さないように対策を立てるサポートをしてあげること」です。
勉強方法についての見直し
なぜこの点数を取ったかを考える
まずすべきことは、なぜ点数が悪かったのか、その原因を考えさせることです。
自分から進んで原因を考えることはお子さまにとっては難しいので、考えるきっかけとなるような質問をこちらからしてあげてください。
「なんで点数が悪かったんだと思う?」という、回答を制限しないオープン・クエスチョンでも答えられるようなら、そこから話を進めます。
難しければ「計画はしっかり立てたのかな?」「勉強時間は十分にとれた?」など、回答をイエス・ノーに制限したクローズド・クエスチョンから始めます。
とにかく、失敗の原因を考えるきっかけを与えてあげましょう。
この時のポイントは、決して問い詰めるような雰囲気を出さないことです。
ここで強い口調で質問をしてしまうと、お子さまのテストに向き合う姿勢が削がれてしまいます。
あくまでも一緒に考えていこうよ、という姿勢を見せてあげてください。
どうしたらいい点数が取れるかを考える
次にすべきことは、どうしたらいい点数が取れるかを考えることです。
前のステップであぶりだした失敗の原因を取り除いてあげることがポイントです!
この因果関係を本人に気づかせてあげたいですね。
気づかせたうえで、改善策を考えさせます。
きちんと失敗の原因があぶりだしてあれば、すぐ改善策は思いつくはずです。
この場合も、もしお子さまが改善策を考えることが難しそうにしているようでしたら、こちらから改善策のヒントを与えてあげましょう。
ただしお子さまが思いつく改善策は「もっと勉強時間を増やす」といった大雑把な改善策であることも多いです。
このような大雑把なものではなく、「この分野を1日〇時間勉強する」とか「テストの〇日前から復習をする」などのように、具体的な改善策になるようフォローしてあげてくださいね。
また、「授業内容が理解できない」「勉強の仕方が分からない」などのように、そもそも勉強をすること自体に困っている場合もあります。このような親の手に余る原因の場合には、先生への質問・相談の仕方をアドバイスしましょう。
塾や家庭教師など、学習環境を増やすことも1つの選択肢かもしれません。
勉強内容に関する見直し
点数だけでなくプロセスも重視する
主にビジネス用語として使われるPDCAサイクル。
「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字をとったもので、業務を効率的に改善するための方法です。
これはそっくりそのまま勉強にも当てはまります。
テストの点数という結果が見えてしまうと悪い部分にだけ目が行きがちで、「その過程に褒められる箇所や細かな改善点はないか」という部分をおろそかにしてしまいがちです。
たとえばテストの成績そのものは悪かったとしても、前回失敗した箇所が克服できていれば、そのテストには価値があります。
一気に弱点を克服できる子もいれば、段階を経ることで成長できる子もいるからです。
もし成功箇所が少しでも見られるなら、学習計画と演習内容自体は間違っていなかったといえます。
その上でどうしたら効果を上げられるかを一緒に考えていきます。
逆に同じところを何度も間違えるなら、学習計画と演習内容そのものを見直すことも必要になります。
このように「Check(評価)」=「テストの点数」だけではなく、そこへ至るプロセスもしっかり重視してあげることが大切です。
家庭教師のファミリーでは、定期テストの「前」も「後」も、お子さまに合わせた指導を実施します。
特に「後」では「何ができて何ができていないのか」を見つけ、「できていない部分を克服するために何をするべきか」を見つけるサポートをします。
先ほどもお伝えしたPDCAサイクルを一緒に実行し、ゆくゆくは一人で実行できる力を身につけていきます。
家庭教師のファミリーの中学生の定期テスト対策はこちら、高校生の定期テスト対策はこちらをご参考ください!
テストの点数が悪かった!怒る親の心理とは
お子さまのテストの点数が悪くて怒りたくなる気持ちは、よくわかります。
しかし、怒ってしまっては何の解決にもなりません。
「そんなことはわかっている…でもつい怒りたくなってしまう…」と感じている場合は、客観的に自分の心理を見つめてみましょう。
怒る親の心理は、大きく2つに分類されます。
1.いい学校に行ってほしいから焦る
つまり、将来に対する不安です。
「このままで将来いい高校や大学に進学できるのかしら」という焦りや危機感が怒りを喚起しているケースですね。
親は自身が通ってきた道ですから、いまここで頑張らないと後で大変になる、ということがわかっています。
ところがお子さまにとっては未経験のことなので、どうにかなるだろうと甘く考えているように感じてしまうでしょう。
この危機感の温度差が焦りに繋がり、苛立ちとなってしまうのです。
2.言われたことをやらなかった結果点数が悪いからガッカリ
もうひとつは、お子さまをコントロールできないことへの憤りです。
いくら勉強しなさいと言っても、まったく言うことを聞かないことにイライラが重なります。
本来勉強をしなかったことで苦労をするのはお子さま本人で、勉強をする・しないを選ぶ権利もお子さま自身にあります。
しかし親としてはお子さまの将来を心配するあまり、つい「勉強しなさい」と言ってしまう。
そして言われたことをお子さまがやらなかった結果、テストの点数が悪く「ほら、だから言ったのに…」とガッカリしてしまう、という流れです。
このような心理状態に心当たりはありませんか?
どちらも我が子を思うあまりの言動なのは間違いありません。
しかし先ほども書いたように、怒ってしまってはむしろお子さまのやる気を削いでしまうことになります。
怒らないようにする解決策としては「お子さまを一個人として理解する」ことがあげられます。
精神的な子離れ、ですね。
小学生以上ともなれば、一人の人間としての考えも少しずつ確立されてきます。
お子さまの行動をコントロールしようとすること自体が難しい話だという認識を持つことも必要です。
経済的な支援はまだまだ必要な世代ではありますが、関係を客観的に見つめる視点を持ち続けることが大切なのではないでしょうか。
テストの点数が悪かったときは、次回に向けて親が改善策を導いてあげましょう
お子さまのテストの点数が悪かったとき、保護者さまの対応のポイントは以下の通りです。
・やってはいけないことは、怒ることと他者と比較すること。
・すべきことは、改善策を自分で考えさせるきっかけを与えてあげること。
・なぜ怒りたいのか、親が客観的に自分の心理を見つめること。
常に意識しておくべきことは、短絡的に感情をぶつけたり、お子さまをコントロールしようとしたりしないことです。
保護者さまに意識していただきたいことは、叱責でもコントロールでもなく、”サポートをする”ということです。
勉強時間が足りなかったなど点数が悪かった原因を反省させ、自分で改善策を考えるきっかけを与えてあげましょう。
保護者さまのサポートひとつで、お子さまの将来は大きく変わってきます。
時には辛抱強く信じて、待ってあげることも必要ですね。
著者舟川 圭祐
塾講師・海外での指導経験を持ち、教育に対する情熱にあふれる教師!今何を対策すべきかを即座に見極め、基本事項の徹底から、性格に合わせた自習方法、学習スケジュールの組み方まで親身にレクチャー。
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