ゲームのやり過ぎは大丈夫?勉強への影響や親ができる最善の方法

やる気の出し方

2024.10.14

ファミリー 代表 寺井俊行

こんにちは!家庭教師のファミリーです。

 

「子どもがゲームに夢中になり困っている」と悩んでいる親御さまは、少なくないでしょう。

しかし、実はゲームそのものが子どもに悪影響を与えるわけではありません。

 

問題はその使い方、子どもの場合は親による管理の仕方にあります。

つまり、適切な管理の下なら、子どもに対し、ゲームを完全に禁止する必要はないのです。

 

では、ゲームの適切な管理とはどのようなものなのでしょうか。

 

今回は、近年の子どものゲーム利用の実態と勉強への影響、必要な管理について詳しく解説します。

 

 

 

子どもたちのゲームの利用実態と問題点

まずは、子どもたちのゲーム利用の実態と問題点を確認していきましょう。

 

 

子どものゲーム利用実態

子ども家庭庁の調査「令和5年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」では、青少年・低年齢層におけるインターネット・ゲーム利用について、次の結果が出されています。

 

 

インターネット利用率 インターネット利用のうち

ゲームに利用している割合

低年齢層(0歳~9歳) 74.9% 64.7%
小学生(10歳以上) 98.2% 87.5%
中学生 98.6% 87.5%
高校生 99.6% 81.4%

 

表からわかるように、現代における子どものインターネット利用率は非常に高く、もはや当たり前の状態となっており、ゲーム目的の利用も中・高生で8割を越え、日常的にゲームをすることは当たり前の状態と考えてよいでしょう。

 

インターネット接続なしでゲームをしている可能性も考えると、子どものゲーム利用はこの数値以上であるとも考えられるでしょう。

 

また、国立教育政策研究所の調査「全国学力・学習状況調査の結果」では、子どものゲーム時間、SNS・動画視聴時間について次の結果が出ています。

 

 

【1日あたりのゲーム時間】

小学生 中学生
4時間以上 17.0% 16.1%
3時間以上4時間未満 13.4% 13.4%
2時間以上3時間未満 19.4% 20.4%
1時間以上2時間未満 25.9% 21.1%
1時間未満 16.5% 16.9%
全くしない 7.6% 12.1%

 

 

【携帯電話やスマホでの1日あたりのSNS・動画視聴時間】

携帯電話やスマホでの1日あたりのSNS・動画視

 

この結果から、一日2時間以上ゲームしている割合は小学生で49.8%、中学生で49.9%、一日2時間以上SNS・動画視聴をしている割合は小学生で32.5%、中学生で51.7%ということがわかります。

 

中学生に関してはどちらも半数が2時間以上をゲームやSNS・動画視聴に費やしており、これでは学校から帰宅後、自宅で過ごす大半の時間をゲームや動画に使っていることになります。

 

ゲームやスマホがなかった時代から比べると、自宅での学習時間が圧倒的に少なくなっている理由が、はっきりわかりますよね。

 

さらに、同調査でのゲーム時間とテストの正答率について次の結果が出されており、ゲーム時間と学力調査テストの正答率が反比例する結果になっています。

 

 

【ゲーム時間とテスト正答率】

ゲーム時間とテスト正答率

この情報からは、つまり、ゲームを長くしている子どもほどテストの正答率が低く、ゲーム時間が短い(全くしない)子どもほど正答率が高くなるという結果がはっきりとわかりました。

 

一日は24時間しかなく、学校、部活動、睡眠、食事などの時間を除けば、残りは数時間しかありません。

 

残された時間のほとんどをゲームや動画視聴に使っているとすれば、勉強する暇はなく、勉強する時間が取れないのですから、学力が伸びないのも納得できるのではないでしょうか。

 

「子どものやる気がないから」「勉強のやり方がわからないから」ということの前に、そもそも、ゲームや動画視聴で勉強する時間が取れないということ自体が、学力が伸び悩む最も重大な課題ではないでしょうか。

 

ゲーム・動画視聴の時間を減らして、どれだけ勉強時間を確保するのかを一刻も早く検討したほうが良いでしょう。

 

 

 

子どものゲーム利用における問題点

子どものゲーム利用においては、近年ゲーム脳やゲーム依存症をはじめとした「ゲーム障害」が問題視されています。

 

ゲーム障害に値するのは、以下の3つの状態です。

  • ・ゲームの時間や頻度を自分でコントロールできない
  • ・日常生活よりもゲームを優先してしまう
  • ・日常生活や人間関係、健康状態に問題が起きてもゲームをやめられない

 

WHOでは、上記3つの状態が12カ月以上続く場合を「ゲーム障害」と認定していますが、ケースによっても異なります。

 

ゲーム障害は、ゲームをやめられなくなっている状態、つまり依存症です。

ゲームの使用開始年齢が低いほど、また使用歴が長いほど依存症にはなりやすいといわれていることを踏まえても、子どものゲーム利用についてはある程度の制限が必要であると考えられます。

 

 

 

ゲームをすることでの勉強に与える影響

ゲームをする子供

前章では、ゲームをする時間が長い子どもほどテストの正答率が低かったことをデータでご紹介しました。

 

しかしこれは、「ゲームをすること」自体が学力低下に繋がることを示すものではありません。

長時間のゲームによる「学習時間の減少・目や頭の疲れによる集中力低下」が学力低下に繋がっているのだと考えられます。

 

ゲームが勉強に与える悪影響は、ゲームそのものではなく、あくまで長時間のゲーム利用に問題があると理解しておくと良いでしょう。

 

一方で、ゲームには楽しさや達成感を得られたり、ストレス解消になったりという良い側面もあります。

ゲームによっては、知的好奇心を満たせたり頭を使ったりするものもあるでしょう。

 

ゲームは悪だと決めつけ、完全に禁止する必要はありませんし、現実的に子どもからゲームを取り上げることは困難なのではないでしょうか。 

 

学力低下や依存症については、そもそもゲーム自体が悪いのではなく、何の制限もかけずに子どもにすべてを任せてゲームを与えていることが問題です。

 

子どもの頃から毎日、帰宅して4時間以上も何かに時間を費やしているのはオリンピック選手か、国際コンクール出場者くらいではないでしょうか。

 

毎日費やすだけの価値のある時間であれば素晴らしい投資になるのでしょうが、そうでないのであれば、その時間は、やはり時間のムダ遣いとなってしまいます。

 

大人になるまでの限られた時間を有効に使うのも、ムダに使うのも、使う目的や使い方次第で将来、大きく変わることになるのは言うまでもありません。

 

ゲームは、大人でもはまるほど魅力があるもの。

それを子どもに与えるには、悪影響を避けるためのルール作りが必要なのです。

 

 

 

ゲーム=悪ではない!子どもに悪影響を与えないために親が出来ること

ここまでにも述べてきたとおり、ゲーム自体は悪ではありません。

問題は、「勉強する暇がないほど長時間、ゲームに没頭すること」にあります。

 

昔の子供が遊んでいた、鬼ごっこやかくれんぼ、探検ごっこ、草野球などと同じくゲームも単なる現代の遊びの一種。

 

昔も今も子供同士は遊びを通して人間関係や社会性を学んでいます。

 

鬼ごっこやかくれんぼなどの遊びの途中で、いきなり親が出てきて禁止したらどうなるでしょう?

本人は恥ずかしい思いをしてしまうほか、せっかくの友達関係も築きにくくなるかもしれません。

 

こう考えると、子どもの意思に反し、ゲームを完全禁止にしてしまうことがよくないことがわかりますよね。

 

ゲームの悪影響を子どもに与えないためには、親が「子どもとゲームの関わり方」を工夫することが大切です。

 

 

 

【ゲームに関するルール】を作る前に確認するべきこと

「子どもとゲームの関わり方」を工夫するためには、ルール作りが重要です。

 

ただし、このルール作りにおいては、事前の準備として親が子どもとゲームの現状を正しく把握することが必要になります。

 

なぜなら、状況を正しく把握していなくては、どんな危険があるのかわからず、適切なルール作りができないためです。

 

よって、ルールを決める前には、次のような点を確認するようにしましょう。

  • ・どんなゲームをやっているのか
  • ・一人でやっているのか
  • ・どんな仲間とやっているのか
  • ・何にいくらお金がかかっているのか
  • ・犯罪に巻き込まれる危険性はないか など

 

ゲームの中には、ギャンブルに近いものや残虐なもの、匿名性を悪用して犯罪に発展しかねないものもあります。

 

親が子どもにその危険性を教えてあげるためにも、また親と子どもが納得感を持って話し合い、ルールを作るためにも、ゲームの状況は必ず把握するようにしましょう。

 

つまり、ゲームの状況を正しく把握し、適切なルールを作って「子どもとゲームの関わり方」を管理することが、現代の親の大事な役割のひとつなのです。

 

 

 

ゲームに関するルールの作り方は?注意点も解説!

ここからは、具体的なゲームのルールや時間の決め方について確認していきましょう。

 

 

ゲームに関するルールの作り方

ゲームのルールや時間は、できるだけ具体的に決めていくことが大切です。

必ず必要になる項目としては、次のようなものが挙げられます。

  • ・お金について(お金を使わせるのか・使わせないのか、使わせる場合のルール)
  • ・利用時間について(1日あたりの利用時間、時間単位か区切り単位か)
  • ・時間帯について(ゲームをしていい時間帯)
  • ・ゲームする場所について(子供部屋かリビングか)

 

これらの項目を軸に、「ゲームは宿題を終えてから」など、必要に応じて細かなルールを付け加えていくとよいでしょう。

 

 

 

ゲームのルールを決める際のポイント

ゲームのルールを決める際のポイントや注意点もお伝えします。

  • ・親が一方的に決めない
  • ・項目を提示し、内容は子供から提案させる
  • ・妥協できるところは妥協する
  • ・ルールを破った場合の対処も決める
  • ・ルールは子供だけが守るのではなく、親も守ることが大事
  • ・決めたルールは文字にして張り出しておく
  • ・必要があればルールは変えてもよい

 

 

ゲームのルールを作ること、そのルールの内容については、親と子ども双方が納得することが重要です。

 

親が一方的に決めるのではなく、子どもからの提案を受け、互いの要望をすり合わせていけば、納得感のあるルール作りができ、子どもの「ルールを守らねば」という意識も高まるでしょう。

 

さらに、条件を付けたり譲歩したりしてルールを決めることは、子どもの自主性や社会性の成長にも繋がります。

 

子どもや将来のためにできることについては「子どもの将来に不安を感じる理由とは?未来を考え親が子にできること」もご一読ください。

 

また、このようなルールは、子どもの成長に合わせて変えていくことをおすすめします。

子どもの成長によって、ライフスタイルはもちろん、優先すべきことや興味の矛先は変化していくと考えられるためです。

 

ゲームのルールの決め方や帰宅後の時間の使い方については、勉強(学力)と睡眠の関係性は?睡眠がもたらす影響や理想の睡眠とはでもご紹介していますので、参考にしてみてください。

 

 

 

ルール決めはゲームだけに限らない!子どもの将来にも影響

今回は、「ゲームの使用ルールを決める」というお話をしました。

しかし、ルール決めが重要なのは、ゲームに限ったことではありません。

 

例えば、家の中での生活ルールやお金の使い方に関するルール、マナーや人付き合いに関するルールなど。

子どもが健全に大人へと成長するため、また親と子どもが良好なコミュニケーションを維持するためには、ルール作りが欠かせません。

 

ただし、このルールは親が強い立場を利用して一方的に押し付けるのではなく、お互いが楽しく過ごすために親と子が意見をすり合わせて決めることが重要です。

 

こうした取り組みは、子どもの自己肯定感や自主性の育成にも良い影響をもたらしますので、今までこうしたルール作りをしたことがないという方は、これを機にチャレンジしてみましょう。

 

家庭教師のファミリーでは勉強を教える先生と教わる生徒という、単に上下関係を構築するようなことはしておりません。

また、一方的に子どもに勉強や課題を強いることもしていません。

 

一人ひとりの現在の置かれている状況を把握し、将来の夢や希望・目標に対してどのような方法で進んでいくのかを一緒に考え、あくまでも生徒が主体性を持って前進していけるようにサポートするのが、ファミリーの家庭教師の役割だと考えます。

 

「我慢して仕方なくやらされる勉強」ではなく「自ら望んでやる勉強」であれば、きっと子どもは主体的に勉強に取り組むようになるでしょう。

 

 

 

ゲームの勉強への悪影響はルール作りで解決!親は適切な状況把握を

長時間のゲームは、子どもから勉強する時間を奪い取るだけでなく、脳疲労から集中力の低下を招くこととなり、その結果、学力低下に直結するという重大な問題と言えます。

 

また、開始年齢が低いほど、ゲーム障害という依存症に陥る可能性もあり、早期の対策、ルール作りが必要です。

ゲームの悪影響は、ゲームそのものではなく、「勉強する暇がないほど長時間、ゲームに没頭すること」にあります。

 

子どもの自主性を親が勘違いしてしまい、ゲームのルールも子ども自身で決めさせようと安易に考えてしまうことは非常に危険ですのでやめましょう。

 

それを避けるために、親はゲームの悪影響と状況を正しく理解したうえで、子どもと一緒にルール作りを行う責任があり、現代の親の大事な役割のひとつだと心得ましょう。

 

このルール作りについては、親が一方的に決めるのではなく、親子でお互いの要望をすり合わせながら決めることが大切です。

子どもと話し合って、お互いに納得してルールを作るというプロセスはゲーム使用に関するルール作りだけでなく、生活・お金・人付き合いなど様々なルール作りにも共通しており、

 

こうした取り組みが、子どもの将来に役立つ自主性の向上や自己肯定感の育成にも繋がることは間違いありません。

 

問題の解き方やテスト対策は学校や塾でも教えてくれますが、学力アップさせるために必要な日頃の生活習慣・行動習慣は、誰も教えてくれません。

 

「仕方なくやらされる勉強」→「自ら望んでやる勉強」に変えることが最も重要なポイントなのですが、このためには子ども自身の考え方・想い・生活習慣・行動習慣を変える以外に今のところ、方法はないのです。

 

創業から23年目を迎える家庭教師のファミリーでは、”問題の解き方を教えて学力を伸ばして行こう!”という前に、日頃からの勉強の習慣や生活の習慣の改善に力を入れており、楽しくスムーズに習慣化できるよう子ども達の特性を見ながら個別サポートをし続けてきました。

 

成績を上げたいという方だけでなく、ゲームばかりでダラダラした生活習慣を改善したい方や、親の言うことをまったく聞かないが子どもの将来が心配という方も、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

無料のカウンセリングも大変好評ですので、是非お役立てください。

 

著者ファミリー 代表 寺井俊行

大学生の家庭教師が主流の中、顧客からのより専門的で高度な要求に応えるため、教師のプロフェッショナルとして、質の高い授業を提供。

常にハイレベルな授業を提供できるように、日々指導法や教材の研究等を行い、また、大学生や一般の家庭教師に対して研修や授業のアドバイスを行うことで、ファミリー全体の授業スキルの向上を図っています。

賢い子に育つ親の特徴は?共通する家庭環境・教育方針を解説!

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