子どもの夜型化がもたらす影響とは?原因や解消方法を解説
2023.02.10
ファミリー 代表 寺井俊行
こんにちは!家庭教師のファミリーです。
近年深刻化している問題のひとつに、「子どもの夜型化」があります。
夜型化は、子どもの生活や健康に支障をきたすこともある深刻な問題。
夜型化の大半はスマートフォン・ゲームが原因といえます。
また、脳への影響も懸念されており、集中力や記憶力が低下してしまったり、好奇心といったやる気が削がれてしまうなど、そういった状態に繋がることでの学力低下も否めません。
勉強への集中力を高めるためにも、夜型化は改善しなくてはなりません。
そこで今回は、子どもの夜型化の原因と、子どもに与える悪影響について詳しくご紹介します。
どう向き合っていけばいいか、どう改善していくべきかという対策についてもお話ししますので、ぜひ参考にしてください。
子どもの夜型化とは?原因は?
子どもの夜型化とは、「夜遅くに寝て、朝遅くに起きる」という夜更かし型の生活習慣のこと。
近年、生活が夜型化している子どもが増えています。
この傾向は、中高生はもちろん幼児にも見られ、財団法人日本小児保健協会の調査では1歳半〜3歳の子どものうち、「夜10時以降に就寝する」と答えた割合が5割以上にのぼりました。
この割合は、10〜20年前と比較して大きく増加しています。
また、大都市で暮らす子どもは地方で暮らす子どもよりも夜型化の傾向が強いこともわかっています。
※参考:厚生労働省「睡眠不足や睡眠障害、子どもへの大きな影響」
子どもの夜型化によってまず懸念されるのが、睡眠不足や睡眠の質低下による病気や生活への支障です。
夜更かしが、子どもの日中の活動や健康に悪影響を与えてしまう恐れがあるのです。
また、夜型化すると子どもの脳や脳の成長へも影響があるといわれており、イライラする、物事に集中できない、記憶力が低下する、感情の抑制が困難になる、やる気が削がれるなどの悪影響も及ぼしかねません。
これを防ぐためには、保護者さまが子どもの夜型化の原因を把握し、それを改善するための対策を取る必要があります。
子どもが夜型化する原因
子どもが夜型化する原因としては、次のようなことが考えられます。
- ・遅くまでテレビやスマホなどを観ている
- ・遅くまでゲームをしている
- ・遅くまで塾に通っている
- ・夕食の時間が遅い
- ・昼寝の時間が長い
- ・室内が明るかったり周りがうるさかったりして眠れる状態にない など
近年、スマートフォンやタブレット、パソコン、多様なゲーム機器を所有する子どもが増えました。
夜型化の主な原因とされているのが、このような機器を寝る直前まで利用してしまうことといわれています。
機器から発せられるブルーライトは、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌を抑制してしまう影響があり、メラトニンが十分に分泌されないことで、眠れなくなったり質の高い睡眠を取れなくなったりして体内時計が狂い、夜型化してしまうと考えられています。
また、遅い時間の夕食など、生活環境の乱れが原因となっていることも多く、子どもが夜型化してしまう傾向として、親が夜型の生活であることも挙げられます。
このような夜型化の原因は、なるべく大人の手で取り除いてあげるのが理想的です。
子どもの夜型化がもたらす影響
夜型化は、大きく分けて生活習慣や集中力など勉強に直結するスキルに与える影響、健康や発達に及ぼす影響がある恐れがあります。
この2つの影響について、詳しくお話ししていきましょう。
生活習慣・学習習慣・学力に与える悪影響
子どもの生活リズムと 健康・学習習慣に関する調査 2021では、「睡眠時間が短い子どもは、疲れやすい、イライラする、気分が落ち込むと答えた割合が高かった」という結果も出ており、生活習慣や学力への睡眠時間の影響について各教育団体で複数の調査が行われていますが、いずれも睡眠時間が十分取れている子どもの方が学力が高い結果が出ています。
夜ふかしで生活習慣が崩れると身体にも影響がおよび、低体温による朝の体調不良、意欲の低下などから、時間通りに動くことが難しかったり、不登校や引きこもりにも繋がってしまう恐れもあります。
きちんと睡眠を取れていないと、脳の疲れも取りきれません。
また、脳は睡眠によってその日得た情報を整理し、記憶として定着させます。
最近の睡眠脳科学研究では、学力やスポーツ、音楽などの技能向上に睡眠が大きく影響しているともいわれており、十分な睡眠が取れていることで向上が見られたという結果も出ているようです。
脳に疲労が溜まっている状態では集中力や思考力が低下し、学校での勉強に集中できなかったり、ちょっとした遊びで怪我をしてしまったりと、日中の活動に支障が出る可能性もあるでしょう。
睡眠不足による集中力低下とその対策は、「子どもの集中力を高める方法。こんなコツがあります!」でもご紹介していますので、参考にしてみてくださいね。
また、夜型化の影響が生活習慣・学習習慣に出ているのでは…と心配な場合は、家庭教師のファミリーで「自立学習力診断」が無料で利用できるので、現在の状態を確認し、何から始めることが最適なのかぜひチェックしてみてください。
健康や発達に与える悪影響
睡眠不足・睡眠の質低下により、子どもの身体や発達には次のような悪影響が出る可能性があります。
- ・成長の遅れ
- ・肥満・生活習慣病
- ・免疫低下
- ・衝動行為・多動
各影響について詳しく見ていきましょう。
成長の遅れ
睡眠中の人間の体内では、成長ホルモンが分泌されます。
成長ホルモンはその名前の通り、体の成長に欠かせないホルモンです。
夜型化により睡眠が不足したり質が低下したりすると、成長ホルモンの分泌が阻害されてしまいます。
その結果として、子どもの体に成長の遅れが発生する恐れがあるのです。
肥満
睡眠不足になると、人の体の中では、食欲を抑えるレプチンというホルモンの分泌が少なくなり、逆に食欲を増やすグレリンというホルモンの分泌が増えるといわれています。
このホルモンバランスの乱れは暴食を引き起こし、それが肥満の原因となってしまうことも。
また、子どもの睡眠不足は将来的な肥満の危険因子となることもわかっています。
免疫低下
睡眠不足には、免疫低下のリスクもあります。
体の機能を整える働きを担うホルモンが、睡眠不足の影響を受け、分泌が減ってしまう可能性があるため、体のバランスが崩れてしまうのです。
特に受験前に体調を崩すことは死活問題なので、免疫低下に繋がらないよう十分な睡眠時間が必要です。
衝動行為・多動
セロトニンという神経伝達物質には、心を落ち着かせる効果があるとされています。
しかし、夜型化はセロトニンの分泌を妨げてしまいます。
体内のセロトニンの量が減ると、人は心を安定させづらくなるため、行動も落ち着かなくなり、イライラして衝動行為に走ることも多くなるようです。
授業中に集中できない、生活の中で注意散漫になってしまうなどの影響も懸念されます。
子どもの夜型化を改善する方法は?
子どもの夜型化を改善するには、次の3つの方法を取り入れてみましょう。
- ・就寝前にスマートフォン・パソコン・テレビ・ゲームは使用しない
- ・スマートフォンやゲームに関するルールを決める
- ・生活リズムを整える
- ・朝の光を浴びるようにする
- ・日中しっかりと体を動かす
それぞれ詳しく解説していきます。
就寝前にスマートフォン・パソコン・テレビ・ゲームは使用しない
スマートフォン・パソコン・テレビ・ゲームなどの画面から発せられるブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制してしまうといわれています。
また、強い光は人の活動を司る交感神経を刺激し、体を興奮させてしまうことも。
このような状態では、よく眠ることはできませんよね。
そのため、就寝前には強い光を浴びないことが重要です。
就寝前には使わないという決まりは守ってもらい、強い照明のもとで過ごすことも避けるよう、大人が管理してあげることが大切です。
暖色のあたたかい照明であれば、副交感神経を刺激し、体を休息へと導いてくれる効果も期待できます。
そのため、就寝前は明るすぎない暖色の照明のもとで過ごし、眠りに向けた準備を整えるよう促しましょう。
スマートフォン・ゲームに関するルールを決める
夜20時以降はスマートフォンを使用しない、ゲームは1時間までなど、時間を決めるのは基本でしょう。
リビングで使用するという決まりを作ることも、目の離れたところで長時間使ってしまうことを防げます。
また、親が一方的に決めるよりも、子どもの意見も聞いて自分自身で決める方がルールを守ろうという気持ちになりやすいです。
親からも希望とともに、「なぜそういうルールにしたいのか」という理由を添えて伝え、きちんと話し合って決めるといいでしょう。
生活リズムを整える
勉強時間や夕食時間など、全体的に遅くなると就寝時間もずれてしまいがちです。
勉強時間については、短くてもいいので毎日同じ時間に行うと学習が習慣化できる上、計画通りに進めることで生活も整いやすくなるでしょう。
次でお伝えする朝日を浴びることや、日中しっかり運動することも生活リズムを整えることに繋がります。
また、人間は体の深部体温が下がるときに眠くなるので、お風呂は就寝の1時間前くらいに入ることも大切です。
朝日を浴びるようにする
朝に浴びる日光は、体内リズムの正常化に効果的です。
また、日光は体内でのセロトニン分泌を活性化させることも知られています。
セロトニンは、意識をスッキリさせて体を活動する状態に整えるホルモン。
朝に日の光を浴びれば、セロトニンの働きでスッキリ目覚めることができ、学習への集中力も高めやすいでしょう。
日中しっかりと体を動かす
夜型化を防ぐには、日中にしっかり体を動かしておくことも大切です。
体を動かして疲れるとよく眠れますし、運動には体内時計を整える効果も期待できます。
実際、定期的な運動習慣がある人ほど不眠に悩む人は少ないといわれています。
休みの日も日中はなるべく運動するよう子どもに働きかけ、場合によっては保護者さまも一緒に散歩やエクササイズにチャレンジしてみましょう!
子どもの夜型化の影響や生活習慣の改善でお悩みの時は
子どもの夜型化や生活習慣の乱れは、体の成長・健康面に悪影響を与えるだけでなく、学校の成績にも多大な影響を及ぼします。
親が気がついた頃には、悪習慣にどっぷりと浸かり、いくら何を言ってもいうことを聞かないという状態に陥っている方も珍しくありません。
現段階で親のいうことを聞かない状態にあるなら、思い切って第三者に依頼するしか改善の方法はないかもしれません。
家庭教師のファミリーでは、苦手克服のための勉強を教えるだけでなく、根本的な学力向上を図るためにひとり一人の学習習慣・生活習慣の見直し&改善から取り組んでいます。
まずはご入会とは関係なく、お子様の現状と目標や目的をヒアリングさせていただいた上で、今抱えている課題とその解決までのプロセスをご提示させていただいております。
ご入会されるまでは費用は一切かかりませんので、現状に不満や不安を感じていらっしゃる方はぜひお気軽にお問合せ下さい。
著者ファミリー 代表 寺井俊行
大学生の家庭教師が主流の中、顧客からのより専門的で高度な要求に応えるため、教師のプロフェッショナルとして、質の高い授業を提供。
常にハイレベルな授業を提供できるように、日々指導法や教材の研究等を行い、また、大学生や一般の家庭教師に対して研修や授業のアドバイスを行うことで、ファミリー全体の授業スキルの向上を図っています。
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