子どもの自主性を育てるには?いい方法・悪い方法を解説!
2021.11.22
清水目 雅史
こんにちは! 家庭教師のファミリー認定プロ教師の清水目です。
自分の子に「自主性を身につけて欲しい」と考えている親御さんは多いのではないでしょうか。
「自主性」「主体性」を持たない子は、いつまでたっても親や先生が教えてくれるのを待っている子になってしまいがち。
教育現場でも子どもの「自主性」「主体性」は重要視されています。
今回は「自主性のある子」の育て方についてのお話です。
子どもの自主性を育てるいい方法、悪い方法についてみていきましょう。
自主性のある子どもとは?
子どもはそれぞれに個性があり、親や先生が理想としている子ども像とは違うことがあるでしょう。
しかし、それをコントロールして親や先生の理想としてる子ども像に近づけていくのが「自主性」を育てることではありません。
「自主性」=「自分がやりたいことを見つけ、判断し、行動を起こすこと」
「自主性」のある子どもとは次のような子どものことを言います。
・自分のしたいことを見つけ、それをイキイキと行う子
・自分のやりたいことをするために、自分をコントロールしてやるべきことのできる子
子どもの自主性を育てる5つの方法
「自主性を育てる」と言っても、お子さんによって適する方法は異なります。
しかし、共通して言えることは「子どものやる気を尊重し、できる限り応援してあげること」です。
子どもは、赤ちゃんの頃から「やる気」に満ち溢れています。
特に未就学の小さな子は、生まれてから一番最初に出会う大人である親の言うことを絶対的に信じています。
親がいいと言えばいい、悪いと言えば悪いのです。
「子どものやる気を生かすも摘み取るも、身近な大人次第」ということです。
このことをふまえて、子どもの自主性を育てるいい方法について確認していきましょう。
①子どもの意見を聞く
まずは子どもの意見を聞く!そして、それを取り入れてみましょう!
例えば、家族のお出かけ。
子どもに何をしたいか聞いてみます。そうすると子どもはあれこれ喜んで答えてくれるでしょう。
答えてくれたら、一部でも構わないのでぜひその意見を取り入れてあげてください。
子どもの意見を取り入れることで、子どもは自分の考えたことを言葉にすることの大切さを実感できます。
自分の意見を伝える大切さがわかると、色々な物事に自分から積極的に関わろうとする「自発性」も身につきます。
②子どもに計画を立てさせる
小学校低学年のうちは、周りの大人の意見などを聞いて計画を立てることがほとんどです。
小学校中高学年になり、計画を立てて物事を進められるようになったら、計画をすべて子どもに任せてみましょう。
例えば、キャンプに行くとします。食事、遊び、時間の管理までを子どもに任せるのです。
旅行でもかまいません。宿泊先、観光地、食事…決めることはたくさんあります。
大切なのは、計画を実行すること。
自分の計画で家族が喜んでくれたら「自主的」に色々なことにチャレンジしたくなりますよ。
③人に教えたくなる(実践したくなる)知識(刺激)を与える
例えば「宿題はやらなければならないもの」と考えているところに、あえて「宿題をしなくても大丈夫、世の中にはもっと大切なことがあるんだよ」と話します。
宿題以外にも大切なことがあると理解し納得させた上で、「宿題をしなくても大丈夫という考えは、自分の将来を作っていく際に重要なことが分からなくなる危険性もある」ことを説明します。
このように、子どもは知らなかった(しかも驚くような)知識を教えてもらうと、それを人に話したくなります。
そして、自分の考えのように人に話します。
ときに「自分の意見は違う」と反論することもあるかもしれませんが、これも大きなチャンスです。
考えをきちんと聞いて、自分で考えたことをほめてあげましょう。
④やりたいことや自分のことは自分でさせる
●面倒なことほど自分でやらせましょう
子どもがお手伝いをする時を思い返してみてください。
子どもが洗濯の手伝いをする時、親が洗剤の量の調整からやってあげていませんか?
子どもが食事の準備の手伝いをする時、食材切りは時間がかかるからと、親が切る下ごしらえをしてあげていませんか?
子どものことを思ってのことだとは思いますが、ぜひ面倒なことを子どもにやらせてみてください。
そうすることで、日々の生活の中でも当たり前に親にやってもらっていたことが、実はこんなに大変なことだったんだということが分かります。
さらに大変なことを自分でやり切ることで充実感を得ることができ、自信を持つことにもつながります。
●「人に迷惑をかけないこと」「危険でないこと」この2つが守れるなら、やりたいことはどんどんやらせましょう
スーパーでの支払いをやりたがったら、商品を持ってレジへ並び、お金を支払うよう伝えましょう。
計算のできないうちは、後ろでサポートしてあげるといいですね。
昆虫が好きなら、時間の許す限り昆虫採集を見守り、一緒に捕まえたり、帰ってから図鑑やインターネットで捕まえた昆虫について調べたりするのもいいですね。
昆虫博物館につれて行くなど、興味の幅を広げてあげるのも効果的です。
子どもは親のサポート無しではできることに限界があります。
子どもが自発的にやりたいと言ったことに対しては、できる限り親がバックアップし応援してあげましょう。
⑤個性を尊重する
「みんな違ってみんないい」
人と違うのは当たり前だし、とても素晴らしいことです。
それを親御さんが認め、尊重し、子どもに伝えていきましょう。
日本人は、人に合わせること、目立たず出しゃばらないということに長けているように思われます。
それはそれで悪くないですが「自主性を育てる」という観点で考えるとあまり好ましくありません。
子どもたちは目立つのを嫌う傾向にあります。
嫌がっているのに、無理に違うことをさせる必要はありません。
みんなと違うことや異なる視点で物事を解決できたときには、おおいに褒めてあげましょう。
親が子どもにやってしまいがちなNGな育て方
子どもの主張や行動を尊重するのはとてもいいことです。しかし、他人の迷惑や子どもの命に関わるのは言語道断。
どのような関わり方がNGなのでしょう。いくつかご紹介します。
①放任
よく「うちは放任主義だから」という親御さんがいらっしゃいますが、「放任」の意味を履き違えると子どもにとってマイナスの効果しか与えられません。
子どもが人に迷惑をかけてもニコニコして見ている、子どものしたい放題というのはNGです。
「伸び伸び育てたい」
「個性を尊重したい」
これらの言い分もよく分かりますが、単なる「放任」で身につくのは自分勝手な思考だけでしょう。
特に年齢が低いうちは、お子さまが自分を律して行動することは難しく、楽な方・楽しい方に流されてしまいがちです。
適度な放任は自立を促すことにも繋がるとも言えますが、小さいうちにしつけはしっかりとして、節度をわきまえた行動とはどのようなことか、他人に迷惑をかけることはなぜ良くないのか、といった点を理解させることが大切です。
②過干渉
子どもの先回りをし、何もやらせない子育ては自主性の成長の妨害にしかなりません。
「汚いから触っちゃだめ!」
「迷惑だから座ってなさい!」
周りの評価や親の都合で、お子さんの「やる気」「自主的な行動」を否定し、その芽を摘み取っている場合があります。
過干渉な育て方で子どもが身につけるのは、大人の顔色をみて怒られないようにする方法でしょう。
子どもは失敗して成長していくものです。
心配な気持ちもわかりますが、ある程度どっしりと構えて子どもの自主的な行動を見守ってあげましょう。
放任の部分でもお話したように、危険なことや他人に大きな迷惑をかけることはしっかりと注意して正しい方向に導いてあげてくださいね。
③一つのことにこだわる
子どもが興味を失っているにもかかわらず、無理にやらせようとする子育てもNGです。
「あんなに好きだったでしょ!」
「もう飽きちゃったの?」
子どもは好奇心旺盛のかたまりなので、常に興味関心は移り変わるのが普通です。
嫌なことを無理やりやらせても「やらされている」というだけの感情が大きくなり、せっかく興味を持っていたことも嫌いになってしまいますし、最悪の場合はトラウマになることも。
子どもは興味を持ったことから色々なことを学んで吸収していくので、すぐに飽きてしまっても「色々なことを学べるよい機会」と考えて柔軟に接してあげてください。
新たな興味がでてきたら、それを応援してあげましょう。
自主性を育てて子どもの可能性を伸ばしましょう!
どの親御さんも、子どもの「自主性」を育てようと日々考え行動されていることと思います。
①子どもの意見を聞く
②子どもに計画を立てさせる
③人に教えたくなる(実践したくなる)知識(刺激)を与える
④やりたいことや自分のことは自分でさせる
⑤個性を尊重する
ぜひ、これらを取り入れてみましょう。
どんどんやりたいことを見つけ「自主的」に行動できるようになります。
子どもは、生まれながらにして「興味」「やる気」を持っています。
親の接し方次第でいくらでも可能性を伸ばすことができるのです。
「僕(私)は、やれる!」と思えば、どんどん自信がつきます。サポートしつつ、見守ってあげましょう。
保護者の方に意識していただきたい家庭教師のファミリーの10ヶ条もぜひご覧ください。
著者清水目 雅史
北海道教育大学卒業後、学校職員などを経てファミリーに入社。
子どもや家庭、教育に対する気持ちは誰よりも強く、最適な提案・授業の実施を第一に置いた対応で、保護者の方からの信頼も厚い。社内での愛称は「ズメさん」。
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