大学入試はどう変わる!?知っておきたい変化と対策

受験のこと

2020.02.10

篠原 貴祐

こんにちは!家庭教師のファミリー認定プロ教師の篠原です。

 

大学入試が大きく変わろうとしています。

2020年度から、つまり次回の入試から、今までの「大学入試センター試験」は廃止され、「大学入学共通テスト」に移行されます。

 

何がどのように変わるのか。

具体的に、どのような対策が必要になるのか。

 

文部科学省の方針も定まらず、今後もアンテナを張り続けることが大切ですが、現段階での決定事項と、大まかな方向性については理解しておきましょう。

 

今までと違った特別な対策が必要という訳ではありません。

ただ、より新しい時代に求められている学力が試される内容になっていくことは確かです。

知っているだけではなく、応用できるレベルまで理解できているかどうかが問われます。

 

主な変更点や対策についてお伝えしていきますので、参考にしてくださいね。

 

 

 

 

大学入学共通テストとは?

現行の「大学入試センター試験」が廃止され、2020年度より「大学入試共通テスト」がスタートします。

 

1990年に始まったセンター試験は、マークシート方式でありながら、しっかり考えさせる良問が揃っていて、高く評価されていました。

 

しかしながら、グローバル化や価値観の多様化、テクノロジーの進化などによる社会の急激な変化に伴い、必要とされる学力も大きく変わってきました。

単なる知識の量だけではなく、自ら問題を発見し、解決策や新しい価値を生み出す力が重要視されています。

 

そのため、国語・数学での記述式問題の導入や英語民間試験を活用して読む・聞く・書く・話すの英語4技能を測ることが検討されていましたが、今のところ見送られています。

 

出題形式がどのようになるかは注目すべき点ですが、実施日程、出題教科・科目はセンター試験と同様です。

新たにリリースされる情報はチェックしつつ、その情報に必要以上に振り回されることのないよう、しっかり基礎基本の理解を固めていきましょう。

 

 

 

 

大学入学共通テストはセンター試験からどう変わる?

マークシートに解答

2020年度導入確定の変化

未確定な要素が多い共通テストですが、すでに導入が確定しているものもあります。

 

全体を通して、学習指導要領で重視されている「思考力・判断力・表現力」が問われる出題になるようです。

 

もっとも大きく変わるのが英語です。

 

「筆記」が「リーディング」へと改称されるとともに、配点も大きく変わることが確定しています。

センター試験では筆記が200点、リスニングが50点でしたが、共通テストではリーディングが100点、リスニングが100点と、リスニングの比重が一気に高まります。

 

さらに、リスニング音声は普段学校で扱われるアメリカ英語の発音に加え、イギリス英語の発音や母語が英語でない国の発音も含まれます。

また、発音・アクセント問題が消滅し、設問がすべて英語になることも確定しています。

 

様々なテーマ・タイプの問題が扱われることになることから語彙数も増え、全体的に難易度が上昇することが予想されています。

 

国語については、記述式問題の導入は見送られたものの、従来通りの小説や論説文からの出題に加えて、会話文や表、法律や契約書など、日常生活に関わる文章や資料を題材にした問題や、複数の資料を読み解いて解答する問題が出題されることがほぼ確定しています。

 

国語に限らず、文章を速く読むことができればその分解答時間に充てられます。

出題されそうな文章や資料を読む練習も効果的です。

 

ちなみに、記述式問題の出題は先送りとなりましたが、これまでの読解問題と解き方は同じです。

「一文目を〇〇として」「具体的な根拠をいくつ挙げて」など問題文に条件が設定されている場合がほとんどなので、条件をよく読んだ上で資料中の文脈を掴み、条件を満たして書く練習はアウトプットの訓練として有効です。

 

数学についても記述式問題の導入は見送られましたが、国語同様にただ問題を解くのではなく、日常生活を題材にした文章題を読み解いて計算する問題の出題がほぼ確定しています。

問題文自体が長いため、数学の知識だけではなく、出題意図をしっかりと汲み取る力が必要とされます。

 

 

今後変化すると思われるもの

大学入学者選抜改革の柱の1つは、「思考力・判断力・表現力」を測ることです。

 

そのため、国語と数学で記述式問題が導入される予定でしたが、採点体制や精度などの問題点をクリアすることができず、見送られることになりました。

 

ただし、文部科学省は「論理的な思考力や表現力を育て伸ばすこと、それらを評価する観点から大学入試において記述式問題が果たす役割が大きいことに変わりはない」としています。

今後、記述式問題が導入される可能性は大いにありそうです。

 

また、英語については、英検やGTECなど民間の資格・検定の中から国が認定した試験を採用するという案でしたが、試験の受験費用・会場などが公平さに欠けることから見直され、白紙に戻りました。

 

ただ、センター試験で測ってきた「読む」「聞く」に加え、「話す」「書く」を含む「4技能」を評価したいという方針は変わりありませんので、今後の動きに注目しておきましょう。

 

 

 

 

大学入試対策は今までとどう変わる?

合格祈願の絵馬

何が求められる?出題の方向性から見る対策

試験で問われるのは、学力の三要素です。

それはセンター試験でも共通テストでも変わりません。

 

学力の三要素とは「知能・技能」「主体性・多様性・協働性」「思考力・判断力・表現力」です。

その中でも、センター試験から共通テストに変わってもっとも重視されるのが「思考力・判断力・表現力」です。

 

具体的には、記述式問題への対策が必要です。

今回は導入が見送られたものの、相応の出題にも対応できるように準備しておきたいですね。

はじめから選択肢に頼るのではなく、まずは自分の頭で考えて答えを出すことを習慣にしていきましょう。

 

 

「思考力・判断力・表現力」の対策は焦らず

共通テストでは、「思考力・判断力・表現力」が特に問われます。

とは言え、そのことばかりを過度に意識して勉強する必要はありません。

 

何より大切なのは、基礎を固めること。

いくら「思考力・判断力・表現力」といっても、基礎が固まっていなければ発揮することはできません。

では、その基礎とは何でしょうか。

 

まず、覚えるべきことはしっかりと覚えましょう。

特別な対策ではなく、まずは基礎固め!

そこが整ったら、過去問や記述式問題集などを使って、記述式問題に解答するときのコツやポイントなどを身につけていきましょう。

 

この順番が大切です。

焦って記述式問題を解きまくっても、あまり身になりません。思考力の源泉となるのは知識です。

 

「言葉は知っていても意味がわからない」では語彙力は増えず、結果的に思考力・表現力は高まりません。

「なぜそうなるのか」を常に問うことが重要です。

それにより判断力は自然に身についていきます。

「模範解答にそう書いてあるから」ではこの先は通用しません。

 

以上に挙げたことは、いわゆる学力の高い人は普段から行なっていることです。

「知る→知ったことから考える→考えたことを表現する」ということが今後いっそう求められるだけでなく、これを繰り返すことで学力が増幅されていきます。

 

 

 

 

大学入試がどう変わるのかしっかりチェック!でもやるべきことは変わらない!

大学入試改革の過渡期真っ只中にいるみなさん。

いろいろな情報が出ては消え、翻弄されてしまっているかも知れませんね。

 

新しい情報はもちろんチェックしておくべきなのですが、あたふたする必要はありません。

みなさんがするべきことは、センター試験が共通テストに変わっても、それほど変わりません。

覚えるべきことはしっかり覚え、基本となる原理・原則を理解することです!

 

ポイントを振り返っておきましょう。

 

・2020年度からセンター試験は廃止され、大学入学共通テストが実施される

・英語の民間試験、国語・数学の記述式問題の導入は見送り

・試験では「思考力・判断力・表現力」が特に重視される

・何より大切なのは、しっかり基礎固めをすること

 

大学入試制度は、まだまだ不確定な要素が多いので、今後も動きから目が離せません。

家庭教師のファミリーでも常に最新情報をチェックし、柔軟に対応できるよう備えています!

 

みなさんは情報に振り回されることなく、しっかりとした学力をつけることに集中してくださいね。

不安なことやわからないことは、いつでも家庭教師のファミリーに相談してください。

志望校合格に向けて、一緒に頑張っていきましょう!

 

著者篠原 貴祐

集団・個別・家庭教師と様々な指導形態で長年培ってきた確かな教務力。発達障害や不登校の生徒も豊富な指導経験を持つ。適切な情報提供・指導に信頼も厚い。雑談していると現れる、チャーミングな一面が最近社内で話題。

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